trivial days

よしなし‐ごと【由無し事】つまらないこと。益のないこと。たわいもないこと。とりとめもないこと。

[文楽]菅原伝授手習鑑(第一部)@国立劇場小劇場

文楽の公演を観てきた。国立劇場が閉場になる、文楽としては最後の舞台。

初めてここに来たときはその厳かな佇まいにはぁ~~とため息が出たものだ。小劇場の角からは、大劇場の向こうの端っこが見えないくらい。濃いグレーの校倉造様の外壁に、国立劇場の4文字のみ、軒下には赤い提灯がずらり。到着してこの建物を仰ぎ見るだけで、自然と心が躍りました。これほど伝統芸能の上演にふさわしい劇場があるだろうか。なんだか建て替えるのもったいないなー。どうか新劇場が今以上のすばらしいものになりますように。

さて、文楽。正直言うと第二部の演目の方が好みではあるのだけど、第一部を選択したのは、勘十郎さんと玉男さんが揃ってるところを観たいという甚だミーハーな心からです。

車曳の段、小住太夫さん、碩太夫さんの成長が著しい、、、デビューの頃から聴いてるから応援したくなっちゃう。三輪太夫さん、咲寿太夫さん、芳穂太夫さん、いいねいいね!桜丸切腹の段のC太夫さんは熱唱系でちと苦手。住太夫さんの引退公演を超える語りは、多分もう聴くことはないでしょう。。最後の天拝山の段で再び籐太夫さん、一回り大きくなられたように感じたのは私だけ?

天拝山の段は今回が初めてだったけど、玉男さんが遣う菅丞相の大きいこと!ダイナミックなこと!勘十郎さんの白太夫とのかけあいも楽しいし、飛梅伝説が織り込まれてたり、ちょっとした仕掛けがあったりして、純粋に楽しめました。あまり上演されないのは、他が優れた段ばかりだからかな。それはさておき、人芸国宝二人、贅沢な舞台をありがとうございました。

新しい国立劇場の完成は2029年の予定とのこと。6年も先か~。その頃も元気で劇場に通える自分でいたいと切に願う。。。