日本橋三越で開催された日本伝統工芸展に行ってきた。毎年NHKの「日曜美術館」で取り上げられていて、作成過程の手間やすばらしい技術を見て一度行きたいと思っていたのだ。これまでなぜか行く機会を逸しており、今回が初めての観覧。
まず、会場に入ってみてその広さ、展示数の多さに驚いた。そして、はっと目を引く作品があちこちに。
室瀬和美さんの漆芸作品をMOA美術館で拝見して、その美しさに魂が吸い込まれるような体験をして以降、ここ数年は漆芸に関心があるのだけれど、総裁賞を受賞された作品(彫漆箱《遥かに》)はさすがにすばらしかった。。。できればもっと間近に、真上から見たかった。あの波間に浮かぶ白い球は、私には月の光から生まれた真珠のように見えました。新人賞の藤の花のもすばらしかった(乾漆蒟醬箱《瑠璃藤花》)。藤の花に手をかざしたら、すっと中に手が入りそう。
ずっと見ていくと、えっこれすごい!なんで無冠!?という作品があり、よくよく見れば、人間国宝のおかたのだったりして、そういうのがさりげなく紛れているのがまた面白かったです。
どの部門もどの作品もすばらしく、どうやってこれが作り出されたんだろう、このデザインはどうやって生まれたんだろう、と、久々に心躍るひとときを過ごした。