trivial days

よしなし‐ごと【由無し事】つまらないこと。益のないこと。たわいもないこと。とりとめもないこと。

[美術館]ディヴィッド・ホックニー展@東京都現代美術館

日中の暑さが一段落した10月の初旬に、ディヴィッド・ホックニー展に”ようやく”行ってきた。

ちょうど日曜美術館で取り上げられた後だったので、予習になったわけだけれど、なるほど、作風が変化していくその過程が、あの壁一面の大きな作品たちに結実しているように感じた。それは必然だったのかもしれない。

いくつかの作品の正面に立つと、頭がくらりとする。自分の視野に収まりきらないからか、消失点とかの類いの仕業なのか、その理由はよくわからないけれども、不思議な感覚でした。

映像の作品も面白い。美しい。《ウォーター近郊の大きな木々・・・》は作成過程の映像も上演されていて、皆さん見入ってました。あれだけの作品をコンピューターの力を借りて生み出すなんて。どうやって思い付いたんだろう。

iPadで作成された作品群も面白い。一見簡単そうだけど、近づいて見てみると、実に沢山の色が重ねられている。テクスチャーもいろいろに感じられる。使いこなせばiPadでこんなに美しいものが創り出せるんですね~。現代美術には疎いので今更かもしれないけど、絵画がタブローを飛び出して、それでもこれは確かに絵画で、その世界がぐっと広がったと思うとなんだか愉快。そして、マティスの時代にこの技術があったら、彼はどんな作品を生み出したかしらとふと思った。

最後の展示室、全長90メートルの大作《ノルマンディーの12か月》は見ていて飽きない。何周もしてしまった。

美しい色は心を豊かにする。幸せな気持ちになる。そして新しい世界を見せてもらったホックニー展でした。