鴎外の食に関して、大変充実した展示で、鴎外の食の好みや森家の食卓の様子、当時の食料事情や外食事情、それらを通して鴎外の人柄まで伝わってきた。鴎外自身は粗食を好んだそうで、解説には美食家ではなかったとのことだけど、そこはやはりハイソな家庭、年に数回は家族を高級レストランや料亭に連れて行き、コース料理を楽しんだそう。が、やはり心を打つのが、最後の遺言書の文言。「余ハ石見人森林太郎トシテ死セント欲ス」。どんな高い身分にあっても、鴎外はいつも一人の人間として生活していたんだろうな。
展示のみならず、記念館の建物、お庭もすばらしい。区立でこんなに立派な記念館があるなんて、東京ってほんとうらやましい。それにこのあたりを鴎外やその時代の文豪たちが歩いてたかと思うと、歴史を感じます。
鑑賞後、併設のモリキネカフェでランチ。このネーミング、イイネ!ここでモリキネプレートをいただく。温められたプレッツェルにコンビーフやソーセージのスライスがよく合う。添えられたピクルスで気分がスッキリするのもまたいい。欲を言えば一切れのチーズがあれば文句なしだったな。いや、それって、ワインが欲しくなるね。いずれにせよ、素敵な組み合わせのプレートでした。
デザートに期間限定のケーキ、「リンタロウル」(これも洒落たネーミング!)をいただく。鴎外が好んだ果物の甘煮が使ってあって、いいね、こういうの。
記念館を出て、谷中方面をぶらぶら。創業100年の佃煮屋さんでお茶漬け昆布などを買い求めて帰宅。