trivial days

よしなし‐ごと【由無し事】つまらないこと。益のないこと。たわいもないこと。とりとめもないこと。

[美術館]小林古径と速水御舟@山種美術館(と、Cafe 椿)

恵比寿駅からゆるい坂道をえっちらおっちら歩いて山種美術館に行ってきた。

お目当ては小林古径の《清姫》の全8面。 やはり、8面を通して見ると、迫力あるなー。線書きの「旅立」、この静かな感じが逆にコワイ、から始まって、「寝所」寝入る安珍に見入る清姫、これから安珍に忍び寄るのだろうか!?、静寂な空気に包まれる「熊野」、「清姫安珍を追う清姫、この時は顔を半分こちら側に向けているし、この時はまだ着物の裾から足が見えてる、わっせっわっせっ、って感じ。「川岸」逃げる安珍、イケメンだけど薄情なヤツにしか見えない、「日高川」この面の清姫は横顔、安珍を追うその必死さが伝わってくる、髪の毛の一本一本の描写がすごい。空を飛ぶひゅ~~って音が聞こえてきそう。そしてついに「鐘巻」。清姫は蛇体となり鐘の中の安珍を、、、清姫の目がギラギラしてて、もう逝っちゃってます。口から吐き出される炎というか、熱波というか、がリアルすぎる。そして最後の「入相桜」、ここでクールダウン、なんとはなしに救われます。やはりこれは8面揃って鑑賞したいですね。安珍清姫は、能、歌舞伎のみならず、舞踊や演歌など、いろいろなシーンの題材になっているけど、私にとってはやっぱり文楽日高川入相花王」です。

この日、お客さん多くて、古径&御舟でファンが多いのかな?それはいいとして、おばちゃんグループはどうして騒がしいんですかね?お連れさん同士で聞こえる位の声で話すこと、出来ないんでしょうか???

やれやれ、と思いつつ、併設のCafe 椿で、季節のにゅうめんと展覧会にちなんだ和菓子から「はすはな」をいただく。季節のにゅうめん、何が「季節」かな?と楽しみにしていたら、鮎の甘露煮、じゅんさい、生麩は緑のモミジ葉が乗ってた。このセンス、素敵だな~。そして、和菓子もとても美味しくて、美術館を後にする頃にはすっかりご機嫌に。すごいね、美味しい物を食べるその効果。終わりよければ全てよし、です。